教育・保育の質は大丈夫?「幼児教育無償化」見落としがちな問題点



政府が幼児教育の無償化政策を打ち出してからと言うもの、児童教育の注目度は高まる一方です。ところが、無償化政策で全て解決するのは大間違い。まだまだ問題は山積みです。

今回はそんな無償化政策の問題点を徹底分析。「やったぁ。無償化だ~!」と喜ぶ前に、注意すべきポイントを紹介しようと思います。

無償化にともなう問題点

今回打ち出された政策は、幼稚園や保育所に必要な費用に対して助成を行う事で、実質無償化を図ろうという内容です。確かに従来の幼児教育政策と比べて前進してはいるものの、「問題点を解決していない!」という指摘も多々あります。

まずは具体的な問題点を整理し、順番に確認して見ましょう。

1.待機児童問題の加速

今回の幼児教育政策について、最も非難を浴びている部分です。待機児童問題は未だ解決していない地域も多く、この点はゆめいほいくのブログでも度々指摘してきました。

  • 3歳児~5歳児の枠しか空いていない
  • 育児休業を理由に抽選漏れとなってしまった
  • そもそも施設数が足りずどこにも入れない

今もなおこのようなお悩みを抱える保護者たちは、今も大変な思いをし続けています。

このような状況で幼児教育無償化政策を導入するとどうなるか?「無料なら…」と今まで入園を希望しなかった保護者たちが、一斉に施設利用を希望するかもしれません。となると、どうなるかは自明の理。ただでさえ不足している幼稚園や保育園はあっという間に定員オーバー。再び待機児童問題が加速する要因となるでしょう。

無論、政府も施設や保育士の待遇を改善することで、待機児童問題へとアプローチを行う予定です。ところが、これまでの経緯を考えると、「じゃあ、安心だね」とは言い切れない部分があります。

2.教育の質の低下

今回の無償化政策は、幼稚園や保育園で働くスタッフさんたちにとっても負担です。第一線で活躍する幼稚園教諭や保育士の方は、急増する児童たちを前にてんてこ舞い。

急変するクラス環境に対応しきれず、大きなストレス要因となるかもしれません。更に言えば、児童1人1人に目を向ける時間が減ってしまい、「教育の質の低下」へと繋がる可能性も。

ただでさえ不足が訴えられている保育士については、より深刻な負担を強いられる可能性もあるでしょう。

教育の質の低下に関する問題点

  • 児童数の急増によるストレス
  • 児童に対する個別対応の低下
  • 保育士獲得競争の激化

スタッフの需要増にも不安が残る

今回の幼児教育無償化政策は、「幼稚園教諭や保育士の需要増」と言うプラスの側面も有しています。「これから幼稚園や保育園で働きたい!」と希望する方にとって、雇用機会の増大は大きな追い風です。

ですが、施設側が現場スタッフの頭数を揃えるため、「雇用のミスマッチ」から目を背ける可能性も否定できません。これも教育の質の低下につながる大きな不安要素です。

3.財源の確保

世の中タダで回るほど甘くはないもの。幼稚園や保育園を無償にするという事は、それだけどこかからお金を捻出する必要があります。

政府は今回の無償化政策の財源として「消費税増税」を念頭に計画を進めています。消費税を10%に引き上げて得られる増収分をベースにして、費用負担に充てる考えです。

ところが、この試算についても一部で不安の声が上がっています。

例えば幼児教育の無償化に伴って、

  • 待機児童の受け皿となる施設の確保
  • 現場で働く保育士のベースアップ

などを見込んでいますが、待機児童がそう簡単に解決しない問題であることは、既に周知の通り。本当に可能なのか不安視する声が出てくるのも無理はありません。

他国の事例

社会福祉の充実している先進国を中心に、児童教育の無償化政策をご紹介しようと思います。

イギリスでは3歳児から無償化

イギリスでは2010年より3歳児以降の児童教育が無償化しています。また、2014年からは経済状況に応じて2歳児の無償化を実現しています。

対象となる施設は一定の教育活動・水準を満たしていると認証を受ける必要があります。

フランスでも事実上無償化

幼稚園を小学校と同じく「教育の第一段階」と認識。3歳児~5歳児の児童教育を無償化した上で、イギリス同様に一定の経済状況にある家庭の児童について、2歳児教育の無償化を実施しています。

韓国でも無償化の流れは進む

韓国においても2012年以降3歳児~5歳児の無償化の流れが進んでいます。ただし、国と地方の費用負担の按分について議論がまとまっていない部分も。財源については日本も不安を抱えており、今後の流れに注目集まっています。

最後に

今回は幼児教育無償化の影の部分や問題点について、クローズアップしてご紹介しました。いずれも容易に解決するのは難しく、慎重な議論と計画の立案が求められています。

日本国内も2019年以降段階的な導入を控えており、そう遠い話ではありません。待機児童に悩む保護者らはもちろん、幼稚園教諭や保育士にとっても目の離せない政策です。

<参照>
諸外国における就学前教育の無償化制度に関する調査研究(PDF)/国立教育政策研究所

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